健康エッセイ集2001年版
健康エッセイ8月号(掲載日2001年7月16日)    小児科へ戻る
【けがや虫さされ】

 夏になると、外へ出かけることが多くなり、けがや虫さされも増えます。

 今月は、【けがの正しい処置の方法】,
     【子どもが頭を打ったときの特徴】,
     【虫さされ、特に毒のある虫・動物などにかまれたときの処置】,
     【応急処置の考え方】,
     【けがのもとになる事故の予防】
などについてお話しします。

【けが(切り傷,擦り傷)】

[まず消毒?]
「けがをしたら、とにかく消毒を!」と思ってないでしょうか。けがをしたとき、
多くは土や砂などがついています。
その土や砂は、けがをしたすぐ後に水道の水で洗い流さないと、
時間がたつと血が混ざったりしてなかなか取れにくくなります。

水道の水は塩素が含まれているので、多少の消毒効果もあります。

 そのまま病院へ行くとき、病院で消毒してもらうから別に新たに消毒する必要は
ありません。
 家で様子をみるときは、市販の消毒液をしみこませたガーゼを当てておきます。

[けがをしたときの様子をくわしく伝える]
たとえば、ガラスの破片がささったとき、意外なところにもあったりするので‥‥。

[血をどうやって止めるか?]
 けがをしたら、たいてい血が出ます。特に手・顔・頭のけがは、傷口に比べ血の量が
多いのでびっくりすると思います。

 よく映画などで、けがの場所より心臓に近いところをしばっている光景を見かけます。
 あれは、中途半端なしばり方になりやすいし、もしきつくしばれたとしても、
ほかのところまでそこから先へ血が行かなくなってしまいます。

「血を止めるには、その部分を強く押さえるのがいちばん。」と覚えておいて下さい。
しかも、3分間
 3分というと意外に長いので、「もう止まったかな?」などと、途中で開けて見ない
ようにしましょう。

 また、ヨモギやドクダミなどの薬草は、それほど血を止める働きは強くなく、
かえってバイ菌を繁殖させるだけなので好ましくありません。

【頭を打ったとき】

 子どもの頭蓋骨は大人に比べてやわらかく微妙に形を変えやすいので、
衝撃を吸収しやすいのです。

 頭を打った後しばらくは、痛みと恐怖で誰でも青白い顔をしています。
 でも、すぐに両手・両足を動かして元気に遊びまわっていれば、まず心配ありません。

 といっても、必ず安心なケースばかりでもないので、普段と違うところがあったり、
ほか心配なことは、遠慮なくそのまま担当のお医者さんに言って下さい。

【虫さされ、特に毒のある虫・動物(ヘビなど)にかまれたとき】

 血を止めるときの処置とは違ってきます。

 まず、かまれたところに残っている毒針や毒毛をていねいにピンセットなどで
取り除きます。
 強く押さえると残っている毒液を体内に戻すこともあるので、
 押さえることはせず、心臓に近いところをきつくしばります。

 ただし、15分しばって1分休み。そうしながら、病院へ運びます。

【応急処置とは?】

 「はじめが肝腎。」ということわざがあります。
どんな病気でもそうですが、最初の処置は大切になってきます。

 けがや虫さされの場合も同じです。
 とにかく、素早く正しい方法で処置することです。
本やホームページを見る時間はありません。

 緊急のとき、あわてると救急車を呼ぶ電話番号さえ出てこないといいます。
 緊急時に備え、電話のそばに緊急時の対応のマニュアル
(119,救急病院の連絡先など)を貼っておきましょう。

【事故の予防】

 けがのもとになる事故は、身近にある危険なところを点検するだけでも、
いくつかは防げます。

 また、子どもは重心が高く転びやすいので、「ちょっと目を離したすきに‥‥。」
というようなことのないよう、気をつけて下さい。
特に家の中では、玄関のたたきへの転落に要注意です。

 いつも子どもの目の高さで、危ないところがないかどうか気をつけるようにしましょう。
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