健康エッセイ5月号(掲載日2003年4月28日) 小児科へ戻る |
[アレルギーとアトピー] ●体の防御反応 これは免疫とも呼ばれ、本来人間が自然に持っている機構です。 自分にとって異物が侵入したとき、その敵と闘います。 その機構が正常に働いているときは問題ないのですが、 何らかの理由で過剰に働いたとき、いろいろ人体に害を与えます。 これが、アレルギーの状態です。 ●アレルギーの分類 1-4型、四つに分けられます。 うち、1型と4型がよく知られている上に数も多いので、この2つのタイプのみ説明します。 1型:即時型(異物が侵入して、15分〜12時間という短時間に起こるアレルギー反応) ※IgE(アイジーイー)抗体という、異物と闘う物質が体の中で働く。 ※IgE抗体 皮膚の下、腸管の壁、気道、鼻の粘膜の近くの血管やリンパ管に多く分布する、タンパク質。 だから、それぞれアトピー性皮膚炎,食物アレルギー,喘息,アレルギー性鼻炎の 原因と考えられる。 <主な病気> アトピー性皮膚炎,食物アレルギー,喘息,アレルギー性鼻炎,じんましん,花粉症など 4型:遅延型(異物が侵入して、2日〜数日後に起こるアレルギー反応) ツベルクリン反応は、このアレルギー反応を利用している。 <主な病気> アトピー性皮膚炎の一部,薬アレルギーの一部など ●アトピー アトピーとは? アレルギーの1型(即時型)反応で、しかも遺伝や体質が深く関与する。 ●この2つの言葉の使われ方 今までの話から、この2つの言葉の関係を不等号で表わすと、 アレルギー>アトピーの関係です。 つまり、アトピーはアレルギーであるといっても間違いではありません。 ところが逆に、アレルギーだからアトピーであるとは必ずしも言えないのです。 また、アトピーがアレルギーの中でも患者さんの数は多く、 アトピー以外のアレルギーの種類が専門的であまり知られていないために、 アトピー≒アレルギーというように使われています。 この言葉の使い方は誤りではないけれど、さっき説明した背景をよく考える必要があります。 ●アレルギーとアトピーを区別しておいた方がいい理由 同じアレルギーといっても、型により治療が変わってくるからです。 しかも、アトピーともなると、日常生活での工夫がより大切になります。 |
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