健康エッセイ10月号(掲載日2003年10月27日) 小児科へ戻る |
[1日の食べ物サイクル] ●1日の食べ物サイクルとは? 人間の活動の源になる栄養は、子どもも大人も、すべて食事から摂られています。 その大切な食事の摂り方では、タイミングということが大切になってきます。 つまり、「必要な栄養素を必要な時間帯に摂る」ために、食品が消化・吸収されて 体に利用されるようになる頃を見はからっておく、ということとです。 普通、食べ物が消化・吸収されて体に利用されるようになるには、 3時間くらいかかります。 また、朝・昼・夕 食事のカロリー配分も大切です。 ということで、今月号では、 1日の食物サイクル=カロリー配分,朝・昼・夕 3食で、いつどんなものを食べたらよいか、 など望ましい食べ方について、大切にしたい基本をお話したいと思います。 (具体的な食品名については触れません。) ●人間に必要な栄養素 「糖質,タンパク質,脂質,ビタミン,ミネラル,食物繊維,水」 ▽糖質(とうしつ): 名前からすると、甘いもののイメージがあるかもしれません。 が、実際は、米などの穀類,うどんなどの麺類,パン,芋類などの、 いわゆる炭水化物(たんすいかぶつ)と呼ばれる食品が主です。 人間の活動のおもなエネルギー源となり、中でも脳の活動源になるものは、糖質のみです。 甘いものも糖質の一部です。摂り過ぎなければ、問題ありません。 10時と3時のおやつの習慣が、良い例です。 ▽脂質(ししつ=脂肪分): 体のエネルギー源、特に持久力を大きく助けます。 でも最近の日本人は、脂肪の摂り過ぎが問題になっています。 なぜかというと、脂肪1g当たりのカロリーが他の栄養素に比べ高いので、 脂肪を摂り過ぎると肥満になりやすいのです。 例)和菓子にはほとんど脂肪が含まれていませんが、洋菓子にはあります。 この差が、洋菓子の方がカロリーが高い原因になっています。 ▽タンパク質: 体の血や肉になる。 以前お話したように、夜間は、子どもも大人も、 疲労回復をはかる成長ホルモンの分泌が盛んです。 その成長ホルモンの原料はタンパク質なので、夕食はタンパク質中心が望ましいでしょう。 ●カロリー配分 日本古来の習慣として、夕食を重要視する傾向があります。 しかし、体に良いとされている食べ方としては、 1日のスタートである朝ごはんを大事にしています。 これには、いろいろな説がありますが‥‥ 朝食:昼食:夕食=2:2:1 くらいが代表的です。 (もちろん、仕事などの関係でこの通りにはいかない方もあるでしょう。ですが、 この後にお話する、朝食,昼食,夕食 それぞれの食事内容の原則だけは、守って下さい。) ●どんな食事内容が理想か? ・朝と昼 糖質(炭水化物),タンパク質,脂質は特に重要なので、三大栄養素として特別に扱っています。 日中の活動エネルギーのために、朝食と昼食のどちらか、あるいは二食トータルで、 これらの栄養素をうまく組み合わせて摂るようにして下さい。 その理想的な割合は‥‥ 糖質(炭水化物):タンパク質:脂質=60%:15%:25% 朝ごはんは、特に午前中の活動源ということを考えると、 糖質の割合はもっと多くてもかまいません。 糖質中心で、タンパク質・脂質を控えた食事が理想的です。 ▼どうしても忙しくて、時間がないときでも‥‥ 朝ごはんは絶対ぬかず、せめてバナナと牛乳だけでも‥‥。 ・夕食および夜食 夕方以降、糖質と脂質は摂り過ぎると、夜眠ってからは、 体に脂肪となって貯まりやすいです。 となると、夜間主に分泌される成長ホルモンの材料になる、 タンパク質中心の食事が勧められます。 朝の排便を促す、食物繊維もたっぷり摂りたいものです。 ・全食事を通して‥‥ ビタミン,ミネラル(カルシウム,鉄など)を、バランスよく摂りましょう。 |
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