健康エッセイ7月号(掲載日2004年9月21日) 小児科へ戻る |
体温 ー測り方のコツー ●体温 体の状態をあらわすのに、皆さんがいちばん使うものです。 割と気軽に測ることができるのも、よく使われる原因のひとつでしょう。 そこで、普段よく使っている平熱という言葉の本来の意味や「正しい体温の測り方」について、 今月号の健康エッセイでお話していきたいと思います。 ●平熱(へいねつ)とは? 平熱=平常時(10分間以上安静にした後)の体温 のことですが、 その平熱には 大人も子どもも、一日の中で 0.5℃前後 上がり下がりがあります。 その変化には個人差があって 健康でも、1℃近く変化する人もいます。 自律神経による調節と 周りの環境などの影響が考えられます。 ということは、平熱を聞かれたら 正確には「○時頃の平熱が、( . )℃。」と言わないといけないかもしれません。 特に、自分の体温が低い(高い) と思い込んでいる方は、 この測った時間というものをチェックしてみて下さい。 ちなみに、体温は 一日の中で午前4時から6時頃 最も低く、 午後2時から5時頃がいちばん高くなります。 特に、子どもさんの 朝,昼,夕,夜と1日4回 食事前で安静にしている時間の平熱を知っておくと、 微熱がある場合 本当に病気からくる熱なのかどうか決めないといけないときなどに役に立ちます。 ●フィクション ーある家での、朝の光景から 今日は、小学校で予防接種がある日。学校へ行こうとしている子どもを引き止め、 「○○ちゃん、熱 測っとかんと‥‥」とあわてて体温計を腋に押し込みます。 朝のあわただしい中、体温が測れるまでの約1分間が長く感じられます。 しかし、ピピッと鳴った体温計の画面には「37.1℃」の表示。 「アレッ、微熱がある。こんなに元気そうなのに‥‥」、 と困った経験をお持ちの親御さんも多いかと思います。 ●子どもの平熱は、37℃を少し超えることもあります。 新陳代謝 ならびに活動も活発な子どもは、このようなことがあるわけです。 特にいつもと変わりなければ、37.4℃までなら予防接種を受けても良い と私は思います。 このとき、微熱(37.0-37.4℃)があっても、 「子どもが布団から出て ある程度ゴソゴソしたあとに測ったんだから‥‥」 と 納得しておくことが大事です。 最後に、体温を測るときに気をつけてほしい点を、いくつかあげてみます。 ここでは、家庭でもよく使われている 測ろうとする体温をその上がり方から 内蔵されている機械が予測するタイプの「電子体温計」についてお話します。 ●電子体温計 ー(腋(ワキ)の下で)体温を測るときのポイントー ・腋の下の汗をよく拭き取る。 ・体温を測ろうとする直前に、衣服や体の一部に体温計の先端部分を触れさせない。 →触れてしまうと、「Error」表示になりやすい。 ・体温計は、腋の下へ 前下方から後上方向きに挿し込む。 そして、体温計の先端部分が腋の下 中心やや手前にくるようにする。 (そこは、大きな血管が通っている上で、体温が早く暖まりやすい。つまり、早く測りやすい。) ・測る方とは逆の(本人の)手で、腋をしっかり閉じる。 →片方の手だけで閉じようと力を入れてしまうと、その腋の周りの筋肉が発熱してしまって 体温計に影響を及ぼす恐れがある。 ・時間に余裕があれば、はじめにピピッと鳴ってから そのままの状態でもう10分ほど待っていると 再びピピッと鳴って、 今度は実際に約10分かけて測った値が表示される。 (予測で測られた体温は、実際に測られた値と厳密にはわずかに違う。 もちろん、実際に測られた値を正確なものとする。) |
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