健康エッセイ集2005年版
健康エッセイ2月号(掲載日2006年1月28日)     小児科へ戻る
おたふくかぜかどうか よくわからないとき
おたふくかぜかどうか よくわからないとき−ってたまにあるかもしれません。
今月号が、そのような疑問に少しでもお役に立てればと思います。

本物のおたふくかぜには、一生に一回しか かからない。
 次のような事情があります。
 ・おたふくかぜのときとほぼ同じ所が腫れる、風邪などの病気がある。
  大人にも子どもにもあるが、たいてい自然に治る。
  おたふくかぜ程人に移す力はないので、ほとんど流行しない。

 →ということは、逆に、はっきりおたふくかぜだとわかっている病気の流行がなければ、
  たとえおたふくかぜによく似た症状があるからといって、
  すぐにおたふくかぜと決めつけないほうがよいでしょう。

 通っている幼稚園や学校におたふくかぜが流行っているかどうか
 問い合わせるとよいかもしれません。

 ・本物のおたふくかぜでも 腫れは、片方だけで済む場合もあるし個人差が大きい。
  一般的に、おたふくかぜの流行がないとき症状だけからおたふくかぜかどうか
  決めるのは難しい。

 ・おたふくかぜはウイルスによって、人から人へ移る。そのウイルスは、
  おたふくかぜになっている子の咳,鼻水,くしゃみなどの中にある。
  それを吸い込んだり触ったりすると移ってしまう恐れがある。

 ところが、このおたふくかぜという病気 移ったと思われる10人のうち3-4人は、
 症状がはっきり出ない場合があり、不顕性(ふけんせい)感染と呼ぶ。

 →「同じ教室の中でおたふくかぜが流行っているのに本人はなんともない。」と
  いうような時は、その不顕性感染か、あるいはもうすでにおたふくかぜに対する
  抵抗力(=免疫(めんえき))を持っていたかでしょう。

 なお、不顕性感染のときも おたふくかぜに対する免疫は、
 普通に(実際、おたふくかぜにかかったときと同じように)できます。

 この免疫 どのくらいあるかは、血液検査で調べることも可能。
 その測定が、おたふくかぜかどうかの科学的決め手になってはいます。
 症状だけでは診断できにくいときなどの、最後の手段で 普段は余り使いません。

 子どもも大人も調べられるので、お近くの小児科または内科へ。
 ただし、結果がわかるのに2週間くらいかかります。
 どの程度の免疫があるかどうかがわかった頃には、
 おたふくかぜかどうかわかっているかもしれません。
 なので、おたふくかぜの免疫を持っているかどうかを調べるなら
 おたふくかぜが流行ってないときをお薦めします。

<おたふくかぜの予防接種>
 有効率(予防接種を受けた者で、おたふくかぜが流行っているとき
 おたふくかぜにかからない割合)はかなり高いけれど、
 「予防接種を受けていれば、絶対安心」というわけでもありません。
 ただ、もしかかっても軽く済みます。
 ですから、子どもから大人まで広く接種が薦められています。

おたふくかぜ自体、発熱と ほっぺたなどの腫れによる痛みがあるといっても一時的。
 ほとんどがが自然に治ります。
 あと、似たような病気はあっても それらもほぼ自然に治る経過をたどるでしょう。

 ということで、顔〜首にかけて腫れたり少し熱が出たりしても、
他の新たな症状が出ず普段とそれほど様子が変わらなければ心配ありません。
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