健康エッセイ集2006年版
健康エッセイ5月号(掲載日2006年6月2日)     小児科へ戻る
 「早寝早起き」の習慣

●「早寝早起き」

 規則正しい正しい生活習慣は、生活にリズムを持たせ、
体のリズム(体温調節,ホルモンの出具合など)も整えます。

 特に、子どもの頃から規則正しい正しい生活習慣をつける(まずは「早寝早起き」から)ことでしょう。
これから成長して大人になるために、ホルモン(成長ホルモンなど)バランスの維持など、
体の中の環境を調節するためにたいへん大切と思われます。

成長ホルモンについては、健康エッセイ 2003年8月号を参考にして下さい。)

 近頃問題になっている、子どものやる気,集中力などの低下、すぐキレル子、学力低下、不登校などにも
この「早寝早起き」習慣は効力を発揮しそうです。


●「早寝早起き」について書こうと思ったら‥‥

 そこで私は、当健康エッセイ 今月号のテーマを「早寝早起き」にしようと思い、
インターネットでいろいろ調べていました。

すると、今年4月から文部科学省主催で[子どものリズム向上プロジェクト]というものが立ち上がり、
これに反応して「早寝早起き朝ごはん」運動全国協議会(PTAや教育関係識者などによる)が
できたと知らせているホームページに出くわしました。

国のプロジェクトが、民間主体の「早寝早起き朝ごはん」運動という活動を全国レベルに引き上げた
かっこうです。
 以前から一部の学校や地域独自で行なわれてきた活動ですが、
このように全国規模で実施されるのは珍しいようです。

そのホームページでは、もちろん規則正しい生活リズム(すなわち、「早寝早起き朝ごはん」)を
子どものうちから習慣にすることによって明日を担う若者の健康を守る
という考え方が
示されています。

さらに、この全国協議会会員を見ると
<個人>では‥‥
この協議会の会長で元文部大臣、有馬朗人(あきと)氏   有馬朗人プロフィール
教育心理学者、河合隼雄(はやお)氏   河合隼雄プロフィール
単純計算の繰り返しが学力向上につながることを提案し、その百ます計算を考え出した
現役小学校校長、陰山英男氏       陰山英男プロフィール
料理研究家、服部幸應(ゆきひろ)氏   服部幸應プロフィール
94歳の現役内科医師、日野原重明氏  公式HP「ドクター日野原オンライン 」
など
<団体>では‥‥
政府(文部科学省など)も後援していますが、あくまで民間主体です。)
全国PTA,一部食品会社,教育関連団体など
 協議会のメンバーをみるとそうそうたる顔ぶれなんです。
それだけ明日を担う子どもたちの未来を気遣ってのことでしょう。

 皆さんの地域では、すでにこの「早寝早起き朝ごはん」運動の一部が実践されているかもしれません。

朝ごはんの大切さについては、
みきちゃんホーム健康エッセイ 2001年10月号を参考にして下さい。)


●最近の体のリズムについての科学的解明

朝早く目覚めている体に 体のリズムを決める働きのある遺伝子の全体像を解明。
(自分の意思でコントロールできない体の働き(=いわゆる自律神経による活動)には、
遺伝子が関係している。その遺伝子によって体のリズムが調節される。)
起きでは、かえって体の免疫(=抵抗力)レベルが下がる。

この二つの事実と「早寝早起き朝ごはん」運動は、直接関係するものではありません。
でも、単に規則正しく睡眠時間をとっていればよいというものでもなく、やはり「早寝早起き」が
重要になってくることを証明しているのでしょう。

         ◇  ◇  ◇
 「早寝早起き」がいかに合理的で体に良いか、
そのための国民的運動が始まっているということはおわかりいただけたと思います。

では、実際に‥‥

▼どういう時間帯が「早寝早起き」か?

 ポイントは、
1.夜中12時前後[=成長ホルモンがいちばん多く(脳から)体の中に出される]に熟睡していること。
(寝入って2時間ほどして熟睡時間帯を迎える。)
 成長ホルモンは、熟睡中にたくさん出される。
2.体を目覚めさせ 一日を活動的に過ごすことのできる体をつくる
いわゆる元気ホルモンである副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモン。
このホルモンが目覚めの直前、しかも朝早い時間帯に(脳から)体への命令を伝えるため 出される。
ということは、朝の早起きが必要。

以上二つの条件から、睡眠時間帯の理想最低線は‥‥
 (赤ちゃん以外の子どもで)午後10時〜午前6時
 (大人では)午前0時〜午前6時

と言えるかもしれません。でもあくまで目標ですから、一日二日できなくたってかまわないのです。
「早寝早起き」の良さが実感としてわかっていれば、自然にそうなっていくのでしょう。


▼どうやったら「早寝早起き」できるか?

 自分の経験からズバリ言うと、早く寝ることに限るのでしょう。
夜早く床に就けば、翌朝は自然に早く目覚めます。反対に、夜寝るのが遅くなってしまうと
翌朝早く起きることは困難で、たとえ無理して早く起きてもけっして頭はスッキリしていないでしょう。

また、家族皆が「早寝早起き」だと理想的です。

▼明日の希望

 西洋のことわざに、寝るときに翌日やりたいことを考えられる人は幸せである。
というものがあります。

「早寝早起き」の習慣は、きっとこのような希望も生み出してくれるでしょう。
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