健康エッセイ8月号(掲載日2006年8月27日) 小児科へ戻る |
暑さと水分補給のポイント ●なぜ水分補給が大切か? 人間の体の中は、環境を一定に保とうとします。環境というと何だかややこしそうですが、 今回お話しようと思っている水分補給の水分や体温,呼吸,血圧などを指します。 この一定に保とうとする力は、 体の中だけの力以外に外から補ってあげる要素が必要な場合があります。 水分補給は、大人も子どもも大切なことです。 だから、今回は対象を子どもから大人まで広げることとします。 ●もし、水分補給が不足したら‥‥ 暑さや病気などで足りなくなった、体の中の水分。 体はその状態を元に戻そうとしますが、残念ながら自分で水を作ることは不可能です。 そのため、外からの水分補給が大きく不足してしまうと、 体の中の水分バランスが崩れさまざまな病的な状態を招くのです。 夏になると、よくニュースで聞く熱中症(ねっちゅうしょう)。 季節には関係なく、いろんな病気での脱水症(だっすいしょう)。 →この二つが水分不足の代表的な状態です。 異常な喉の渇き,不機嫌,唇の乾燥,異常な疲労感,吐き気,ぼーっとする,筋肉のけいれん, ひどくなるとまったく意識がなくなる ●水分補給のポイント ・水分は、胃ではなくその先の小腸・大腸で吸収される。 (飲んだ水分は、胃を通過した後 小腸から大腸へと流れながら吸収される。) →せっかく水分を摂ったつもりでも 摂り方次第ではうまく胃から小腸へ水分が流れない恐れがある。 どんな摂り方かというと‥‥ ・ぬるいまま。 (→冷やすとグンと小腸へ移行しやすい。 熱いお茶と冷たい水とでは、小腸への吸収が4倍以上も違う。ただし、 朝一番に摂る水分は 体を不必要に緊張させないよう、あまり冷た過ぎない方がよい。) ・お酒類(ビールなど)は、水分補給にならない。 →飲んだ分以上が尿になって体の外へ出てしまうので。 ∵お酒のアルコールには利尿作用(=おしっこがよく出ること)があり、 しかもそのアルコールを体の中で(主に肝臓)処理するときに使われる水もいっしょに 尿に出るため。 <水分不足にならないための対策> ・飲むことがわかっているなら、その30分ほど前に (→水分が腸に吸収されるのに30分くらいかかる。)水分補給しておく。 →といっても、「やっぱりビールは喉が渇いてるときに‘カーッと’飲むに限る!」 という方もいらっしゃるでしょう。 でも、ご心配なく。余程水分を摂り過ぎない限り、 摂った水分は30分ほどで体に吸収されてしまうし喉の渇きも多少続いているはず。 ・夜間寝ている間、汗などで約300ml体から失われる。 →寝る前にコップ一杯の水分が貴重になることはわかる。 でも、夜中にトイレに行く回数が増えるのでは 今までトイレに起きたことないのに 眼を覚ましてしまうのが心配で寝る前の水分補給をためらう気持ちもわかります。 人間には眠っている間 抗利尿ホルモン(こうりにょう‥‥)という おしっこが出にくくなるホルモンが分泌される。 (→絶対に出なくなるわけではない。)したがって、トイレのことは心配するほどではない と思われる。冬場は、飲む量を少なくしていいかもしれない。 ・炎天下での活動を30分続けると、およそ400mlの汗をかくと覚えておく。 ☆水分は腸から吸収されるまでに30分かかる。 →このことを踏まえて、体が水分不足にならないために、 あらかじめ水分がたくさん失われそうだとわかっているときは、 前もって水分補給しておく。 もちろん、汗をかいた後の水分補給も大切。 ・きっちり朝食を摂る。 →食事の中に水分があり、 しかも朝一番に日中の活動に必要な水分を摂っておくことは、とても有意義である。 ・もうひとつ、汗の成分から水分補給を見直してみましょう。 ▼汗の成分 ほとんどが水だが、わずかに塩分が含まれている。 なので、水分補給のときは極少量の塩分摂取をお忘れなく! (水1l(リットル)に対して塩小さじ1杯弱が目安) ●水分補給に適している飲み物 冷水 麦茶(極わずかに塩分を含む。) そば茶 ▼不適切といえないまでも、注意して飲んだ方がいいもの コーヒー,紅茶 玄米茶,緑茶,ウーロン茶など →これらはカフェインを含み、利尿作用がある。 |
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