健康エッセイ9月号(掲載日2006年9月22日) 小児科へ戻る |
「様子をみる」って? ●「様子をみて下さい。」 小児科などを受診すると、帰り際「これ(薬)でしばらく様子をみて下さい。」と 医師から言われることがあると思います。 このとき、「様子をみる」って どういうふうにすることだろう? と ふと思ったことはありませんか? もちろん、「子どもさんの姿かたちをじっと見る」ことではありません。(笑) 今月号では、その「様子をみる」って? に焦点を絞って説明していきたいと思います。 子どもさん(小児)を主に対象としますが、大人に当てはめてみても良いでしょう。 ●「様子をみる」ことの意味 一般的に、医師が診察するとき 一回で診断から治療まで解決してしまうことは 珍しいでしょう。(もちろん、病気によっては一回で済むものもあります。) 状態に合わせて適切な処置を取る必要がある病気 (例)中耳炎,肺炎,肝炎,腎炎,脳炎,心筋炎などの比較的ややこしい病気 その初期はどれもカゼみたいな症状なのです。 時間とともに変化する体の状態をよく観察することによって、 正しい診断をすることができます。 その状態を観察するのは、ほとんど家庭において。 医師は家族からの体の状態の変化の情報を聞いて、新しい診断にたどり着くのです。 まさに、家族と医師の共同作業によって カゼではない重大な病気を発見できると 言えるのかもしれません。 たとえば単なる発熱の動きだけを医師に報告するのではなく、 合わせて体の状態の変化の情報が必要です。 具体的には、機嫌・食欲・顔色・睡眠の四つだと思います。 それでは、この四つそれぞれについて説明していきたいと思います。 ▼機嫌 子どもの場合、遊びと言い換えることもできそうです。 昔から「子どもは遊びの天才!」と言われるように、 ものごとから何でも前向きに遊びを創り出していきます。 ここでもし体調が下降線だったら、遊びに注ぐエネルギーはないかもしれません。 大人にしてみても、体調がごくすぐれないときは いつもの決まった仕事なら 何とかこなせるけれど 創造的な(=何か新しいことを創(はじ)める)ことをする元気は なかなか出てこないような気がします。 ▼食欲 人間のもっとも大切な欲の一つです。 しかも、体調が良くないときはほぼ正直に食欲も落ちてきます。 ▼顔色 ショックなこと(例)思いっきり叱られる,トイレを我慢しているか、 思わず漏らしてしまって困っている,大きなケガはないものの、 頭をぶつけたりどこか体を傷つけびっくりしている など)が起これば、 顔色だって悪くなります。でもそれは一時的なもので、 ある程度時間がたてば元に戻るはずです。 たとえば熱の高さだけでなく、熱はそれほど高くなくても いつもより悪い顔色が続いていたら要注意です。 ▼睡眠 これは、大人の方も経験あると思います。 たいへん体調不良のときは、とてもぐっすり眠れたものではありません。 逆によく眠れるようになれば、上向きのサインなのでしょう。 ●機嫌・食欲・顔色・睡眠の四つが保たれている場合 どんなときも、病院を受診しなくてよいのでしょうか?答えはNoです。それは‥‥ ・先に書いたように、 一回の診察で診断から治療までほぼ問題解決してしまう病気がある。 →いつまでもグズグズ待っているより、すっきりする。 (例)水ぼうそう,手足口病,とびひなど ・自分の子ども独特の特性を知り尽くしている母親はじめ家族の勘で、早目に受診させる。 ・機嫌・食欲・顔色・睡眠が保たれていても、心配な症状が続いている。 (例)発熱,皮膚のブツブツ,リンパ腺の腫れなど ☆まとめ 熱が出た。(セキ,鼻水,くしゃみなど) お腹が痛い。吐く。下痢する。 頭が痛い。 息が苦しい。 ‥‥など さまざまな理由で病院を受診されることがあると思います。 そのときに主な訴えだけでなく、上に書いた機嫌・食欲・顔色・睡眠の四つの点の 変わり具合にも気を配って下さい。 そのことが、医師側にとって力強い正しい診断への味方になるでしょう。 そして結局、患者さんである子どもの苦痛を早く取り除くことになるのです。 |
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