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健康エッセイ3月号(掲載日2003年3月3日) 小児科へ戻る |
[お薬の有効な保管の仕方] ●お薬をおいておく、ことはよいことなのか? 町の薬局で買った薬,病院でもらった薬、余ると「いざというとき、 何となく役に立ちそうで」捨てるのはもったいないかな、と思った方も多いと思います。 確かに、「薬はナマモノ」、症状毎に新しく薬を出すのがよいという考え方の人もいます。 ですが、昔から富山の置き薬の風習もあるように、適切な保管環境と使用期限を守っていれば、 家庭でも上手に薬を保管しておくことができます。 そうすると、いざというときも安心です。 ●薬の保管 大敵なのは‥‥ ・光 ・高温 ・多湿 ・バイ菌 <適切なところは?> 冷暗所:涼しく暗いところ 救急箱など薬を保管するところに、乾燥剤を。 シロップ薬,目薬,坐薬など:冷蔵庫へ (冷凍庫は、薬が固まって変質してしまうのでダメ) 粉薬,カプセル,錠剤など:冷蔵庫は、取り出すとき、結露でかえって湿気をおびやすく、不適。 →冷暗所へ 未開封の薬:(使用期限がわからなければ)だいたい、手元に置いてから6カ月間有効とみておく。 (目薬は1カ月) ただし‥‥ ※いったん調合された可能性がある、粉薬やシロップ薬は、指示された期間を過ぎたら使わない。 ※※日常よく起こるケガや病気には、常備薬が活躍する。 ところが診断がはっきりしないとき、家に置く薬を使うのは、保存が少し効くといっても、 体の症状が中くらいまでで、あくまで、交通手段や時間帯などで病院や薬局にも行けない 状態のときだけにしたほうがよい。 |
健康エッセイ2月号(掲載日2003年1月27日) 小児科へ戻る |
[アトピー性皮膚炎] −どんなブツブツがアトピーといえるか?− ●3人寄れば‥‥ お母さんが3人集まれば、アトピーの話が出ると言われています。 医学の専門的な言葉が、これほど日常に入りこんでいる例は珍しいでしょう。 ところが、アトピーについて情報が正しく伝わっていないことも多いようです。 特に、何かブツブツが出ていると、すぐ「アトピーでは?」と不安がるお母さんが多いのです。 そこで、今月は、どんなブツブツがアトピーといえるか、に的を絞ってお話したいと思います。 ●まず、かゆがるか? 「かゆみのないアトピーはない!」とまで言われます。 言葉が喋れず、かゆみが訴えられない小さな子どもでも、かゆいときは我慢できず、 ブツブツをかきむしったり、布団や洋服にしきりとこすりつけたりします。 そういう、機嫌のよくない仕草が見られるでしょう。 ●ブツブツの場所が移動する。 はじめは、顔のことが多いですが、そのうち首,手足,体,関節の内側などに移ります。 ●ブツブツがいつまでも、消えない。 つまり、慢性的であるということです。 ●家族にアレルギー体質の人がいる。 これは、必ずということではなく、あくまで参考程度です。 ●それでは、[アトピーが疑わしい、4つの条件]を以下にお示しします。 1.かゆみ 2.慢性 3.場所の移動 4.家族のアレルギー歴 ●ブツブツの特徴 はじめは、ジクジクしていて、だんだんカサカサになっていくことが多いです。 でも、かゆいために、かきむしることで、湿疹はいろいろに変化するのです。 文字通り、atopic(奇妙な)な湿疹になってしまいます。 |
健康エッセイ1月号(掲載日2002年12月27日) 小児科へ戻る |
[うがいの仕方] ●風邪の予防 風邪(インフルエンザなど)のシーズンが、やってきました。 風邪の予防には‥‥ ・人込みをさける ・手洗いとうがい ・十分な栄養と休養 ・暖かい食べ物や飲み物 ・余分なストレスをさける その中でも、今月は、うがいについてお話したいと思います。 ●うがいが風邪(インフルエンザなど)の予防にいいのは? 風邪の原因になるウイルスは、鼻や口から入って、のどまで達します。 のどの表面で、風邪のウイルスは、いっしょに吸い込んだチリやほこりを餌に、 その数を増やそうとします。 →そこで、うがいでうがい液ごと のどの表面にある風邪ウイルスを洗い流そう、ということです。 ●うがいに使う液 市販のものや病院で処方されるうがい液が有効。なければ、水やぬるま湯でもOK。 1-2杯目の緑茶や紅茶を冷ましたものも、その渋味成分がうがいに効果あり。(出がらしはダメ) ●実際の方法 うがいは、1回15秒 プクプク1回、そのあとガラガラ2回。 ガラガラは、天井を向いてうがいの液がのどの奥まで届くように。 ちょっと無理があるかもしれませんが(笑)、うがいのポイントを覚えましょう! 1.(う)‥‥うがいの前に手洗いを! 2.(が)‥‥ガラガラの前にプクプクを! 3.(い)‥‥1日3時間ごとのうがいを! ※ 1.手洗いは風邪の予防にもなるし、万が一うがい液に手が触れてもだいじょうぶ。 2.プクプクで口の中の雑菌を洗い流しておくと、次のガラガラがより有効。 3.普段からの心がけも大切ですが、特に、「のどが何となくおかしい」と思ったとき。 のどで風邪ウイルスが増える時間:のどに入ってから、約3時間;だから、起きている間は 3時間ごとのうがいが効果あり。寝ているときは、体をウイルスから守る機能(免疫)の活動が 活発です。(→風邪のときは寝るに限るとは、こういう理由からです。)ですから、 わざわざ起きてうがいする必要はありません。 |
健康エッセイ12月号(掲載日2002年11月27日) 小児科へ戻る |
[マスク ー効果のあるとき、そうでもないときー] ●マスク ーどんなとき使っているか?− マスク というと、風邪でゴホンゴホン,鼻水シュ-ンシュ-ンを人にうつさないため、 あるいは風邪をひいてなくても、人からうつされないようにするため、つけている人もいます。 また、「マスクをつけていると、風邪をひきにくい。」という人も。 さて、どういう使い方が正しいのでしょうか? 今月は、風邪のシーズンを前にして、マスクの効果をみてみたいと思います。 □ ●マスクの網目の大きさと、風邪ウイルスの大きさを比べて‥‥ <網目の大きさ> 普通のマスク:100ミクロン(1ミクロン=1mmの1000分の1) ⇔ <風邪ウイルスの大きさ> インフルエンザウイルス:0.08-0.12ミクロン ということは、風邪のウイルスは簡単にマスクの網目を通ってしまい、 マスクの効果がまったくないのでしょうか? いえいえ、そんなことはありません。 当健康エッセイホームページ 2001年度1月号で書いたように、 風邪は大きく二つに分けられます。 そして、それぞれウイルスの伝わり方が違うのです。 どんな伝わり方をするかというと‥‥ 1.普通の風邪:セキ,鼻水,くしゃみなどを直接手でさわり、 それが鼻や口から入ることによってうつる。=接触感染といいます。 2.インフルエンザ:インフルエンザにかかっている人のそばにいて、セキやくしゃみなどをされると、 それだけで空気に乗ってうつってしまう。=空気感染といいます。 →セキやくしゃみで、ウイルスがマスクを通過してしまうので、 インフルエンザのときはマスクの効果が今一つということになります。 しかし、普通の風邪のときは、ウイルスを含んだ分泌物(鼻水など)をまきちらさないようにするため、 マスクはかなり有効です。 なお、インフルエンザが流行しているとき、鼻と口の両方をしっかりおおったマスクは、 鼻やのどの粘膜の乾燥を防ぎ、主に予防において少し有効です。 ●風邪のときのマスク 1.普通の風邪のとき:まずまず有効 2.インフルエンザのとき:人にうつさないようにすることはできないが、予防にはちょっぴり役立つ。 ※風邪のとき、マスクへの過信は禁物です! |
健康エッセイ11月号(掲載日2002年10月24日) 小児科へ戻る |
[インフルエンザワクチン(予防接種)] ●やや肌寒くなってきました! 春〜夏〜秋と元気だった子どもも、気温が下がってきて、 ちょっと油断するとカゼをひかせてしまうことがあります。 これは、気温が低いほど、カゼのウイルスの動きが活発になるからです。 ●カゼの王様、インフルエンザ カゼの中でも、インフルエンザは、(たいてい自然には治りますが)熱も高いし、 こじらせるといろいろな病気を引き起こします。 ここ1-2年、インフルエンザウイルス自体に効くいい薬が開発されたとはいえ、 やはり予防したほうがいいでしょう。 □ ●インフルエンザウイルスの構造 大きさは、約1万分の1mm。普通の顕微鏡では見えず、それよりもっと拡大できる、 電子顕微鏡でようやく見ることができます。 ウイルスの表面には、ヒトの細胞に潜り込む(感染する)ための突起があります。 ウイルスの中心部には、そのウイルスの性質を決める遺伝子が入っています。 ●インフルエンザウイルスの種類 1.まず、ウイルスの中心部にあるタンパク質によって、A型,B型,C型に分けられます。 そのうち、ヒトに影響するのはA型とB型だけです。 2-1.A型ウイルスは、その表面にある突起のタイプによって、何種類かに分かれます。 世界で大流行したものには、そのウイルスが見つかったところの、 その当時の土地の呼び方を付け加えます。 例) A/香港型 1968年から現在も、流行が続いています。 A/ソ連型 1977年から現在も、流行が続いています。 発見当時のままの地名をつけることになっているので、A/ロシア型とは呼び換えません。 2-2.B型ウイルスは、その表面にある突起は一つだけで、しかも1種類しかありません。 つまり、ウイルスは1種類です。ですから、B型はB型としか呼びません。 3.A型もB型も、表面にある突起は同じでも、その突起の性質が毎年微妙に変わります。 →このことが、ワクチンの効き目を不安定にしています。 でも、ワクチンさえ打っておけば、ある程度まではウイルスを抑えられることができます。 ●今シーズン(2002-03年)のワクチン 2002年2月、世界各地の流行状況を考えて、今年のワクチン内容を決定。 ↓ ・A/香港型の特徴を持ったウイルスの、表面の突起を主成分とするもの ・A/ソ連型の特徴を持ったウイルスの、表面の突起を主成分とするもの ・B型の特徴を持ったウイルスの、表面の突起を主成分とするもの (これら3タイプを混合したもの) →注射したら、体が、3つのタイプそれぞれに抵抗力を作るような、ワクチン。 ●副反応 重い副反応は、ごくごくまれ。インフルエンザ以外の予防接種と比べても、 その発生率は高くありません。むしろ、低いくらいです。 |
健康エッセイ10月号(掲載日2002年9月25日) 小児科へ戻る |
[ぜんそく ーいろいろなタイプー] ●ぜんそくのイメージ 何らかのアレルギー体質のある、子どもがゼーゼーいう病気、と とらえている方が多いのではないでしょうか。 実は、アレルギーといっても、その原因となる物質(=アレルゲンといいます)は、 何種類もあるんです。 また、子どもだけでなく大人にも起こります。 ●なぜ、タイプに分けるのか? ぜんそくの症状や治療は、タイプによって、ほとんど変わりありません。 でも、予防対策の方法は、各タイプで注意するところが違うのです。 今月は、その点についてお話していきたいと思います。 ●タイプは、大きく二つに分けられます。 1.[アレルギーが関係しているタイプ]:子どものぜんそくの90%が、このタイプです。 (アレルギーを起こす原因) ・ダニ:ぜんそくを起こすアレルゲンでは、最も重要です。 1万種ほどいると言われていますが、ぜんそくを起こすものは、主に2種類だけです。 でも、そのうちどちらかが、布団,枕,カーテン,じゅうたん,ぬいぐるみ,ペットなどに 棲み付く恐れがあります。 生きているダニは虫自体が比較的大きく、吸い込んでしまうことはありません。 その抜け殻,死骸,糞がアレルギーの原因になります。 たとえば、布団を日に干したり乾燥機にかけると、ダニはある程度死にます。 ですが、そのままにしておくとアレルギーの元になるわけです。 やはり、掃除機をかけたり、ダニの糞などを通さない密度の高いカバーで被う、 などのことが必要になってきます。 ・ほこり:ハウスダストとも言います。ダニとともに、ぜんそくのアレルゲンとして重要。 ヒトのフケ,アカ,ダニの死骸や糞,動物の毛,花粉,カビの胞子などが混じり合ったもの。 ・カビ ・花粉 ・動物の毛 など <参考> ダニ:200-800ミクロン 花粉:30ミクロン カビ:数ミクロン〜数十ミクロン 細菌:1-2ミクロン程度 風邪ウイルス:0.05ミクロン 2.[アレルギーは関係しないタイプ]:大人になって起こる、ぜんそくの半分以上が このタイプです。 (アレルギー以外の原因) ・風邪:アレルギー以外の原因では、いちばん多い。 ・過労,ストレス,睡眠不足など ・気温,湿度の上がり下がり ・大気汚染 ・香水などの強い匂い ・タバコ,線香などの煙 など |
健康エッセイ9月号(掲載日2002年8月28日) 小児科へ戻る |
[ぜんそく ー家庭でのケアのポイントー] ●ぜんそくは、よく見られる病気 ぜんそくは、大人も含めると全人口の約3%にみられます。 松前町だと、およそ900人。けっこう多いですネ。 ●子どものぜんそく 子どもで起こる子は、1-2歳頃から始まります。 そして、主に何らかのアレルギーが元で、気管支が腫れ、呼吸がしにくくなり、 息の通り道がゼーゼーいうわけです。 こういう状態を、ぜんそくの発作といいます。 ●もし、ぜんそくの発作が起こったら‥‥。 たいてい、あわてて病院へ駆け込むと思います。 そして、吸入,場合によって点滴など。 発作がそれほど重くないときは、おさまって家へ帰れます。 あー、やれやれ、と思っていても、ご用心! ●発作がおさまっているとき ぜんそくという病気は、発作のときだけでなく、発作がおさまっているときも、 気管支の粘膜が荒れて発作が起こりやすくなっています。 一見、元気そうに見える、発作がおさまっている時期。 ここに、家庭でのケアのポイントがあります。 ぜんそくに限らず、アレルギーの病気一般にいえることです。 ●アレルギーと生活習慣 日常の生活習慣を見直すだけでも、かなりの効果があります。 それはズバリ、規則正しい生活と十分な睡眠です。 これを具体的にいうと‥‥ 1.ぐっすり眠りに入れる。 人間は、主に睡眠中、体の中で副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモンというものを出します。 そのホルモンの重要な作用の一つに、アレルギーを抑える働きがあります。 (アレルギー患者では、このホルモンの出が十分でありません。) しかも、このホルモンはぐっすり眠ればそれだけ十分適量出るようになっています。 出過ぎることは、ありません。 ▼ぐっすり眠りに入るためには‥‥ ・枕や布団など アレルギーの元になりやすい、ほこり(ハウスダスト),ダニの死骸などをできるだけ減らすように、 乾燥,清潔を心がける。 ・寝る前に、テレビやテレビゲームで興奮しない。 ・寝る部屋が、静かで十分暗いこと。 2.子どもらしい活動を、明るいうちにやる。夜は早く寝る。ストレスを少なく。 3.食習慣を見直す。 食品添加物の入っているものを避ける。(手作りがいちばん!) ●水分補給 タンが切れやすくなるために、水分は多めにとりましょう。 |
健康エッセイ8月号(掲載日2002年7月27日) 小児科へ戻る | ||||||||||
[からだから失われる水分量] ●夏ですネ! 本格的な夏がやってきました。この暑さでは、冷たい飲み物がほしくなりますネ。 健康エッセイ先月は、からだに占める水分の割合(年齢が低くなるほど、割合が高くなる。) についてお話しました。 今月は、子どもにとっての水分の大切さ,体からどのくらい水分が失われたら、 どんな症状が現れるか、この暑い時期、普段気をつけたいことについてお話します。 ●子どもにとって、水分とは‥‥ 大人は、1日体重1kg当たり約40mlの水の出入りがあります。 それに比べ、赤ちゃんは150ml/kgの出入り。赤ちゃんは、体の水分量が多いだけでなく、 必要な水分も多いんですネ。 ただし、赤ちゃんは大人よりずっと水分を調節する機能が未熟です。 しかも、水が出ていくのを抑制する機能がより未熟ということもあり、 ちょっとしたこと(下痢,おう吐,発熱,長時間の暑さなど)で水分が 不足気味(=脱水気味)になってしまいます。 以上は、赤ちゃんだけでなく子ども全般にもあてはまります。 ●脱水の程度と症状
←普段から子どもの体重を測り慣れておくといいですネ。 5%以上の脱水があるときは、点滴が必要のことが多いので、早めに小児科へ。 ●暑さと水分補給 子どもは、大人よりのどのかわきに敏感で、しかもたくさんの水分を必要とします。 特に、この暑い時期になると、しきりに水物をほしがります。 これは、自然にほしがっているのです。 ですから、冷蔵庫にはいつも、たくさん飲んでも安心なように、 新鮮で一度火に通した麦茶を入れておくことをオススメします。 ペットボトルに入ったスポーツドリンク,ウーロン茶,ジュースなどは、 たまに飲むならいいですが、いつもとなると子どもには、きつすぎます。 赤ちゃんの場合、いつも見ている大人(お母さんなど)が 気をつけてあげなければいけません。 普段よりおしっこの回数が少ないなと思ったら、こまめに少しずつ(50mlくらい) サユや麦茶などを与えます。 おっぱいを飲ませたり、おむつをかえたり、涼しくしたりしても赤ちゃんが泣きやまないときは、 案外のどがかわいているかもしれませんョ。 |
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健康エッセイ7月号(掲載日2002年6月30日) 小児科へ戻る | ||||||||||
これから、梅雨が終わって、本格的に暑い夏がやってきます。 今月と来月は、その暑さとたいへん関連のあるからだの水分量についてお話します。 今月は、からだの中での"水"が足りなくなったらどうなるか、 年齢によりからだに占める水分の割合が違ってくること、についてです。 ●水が足りないと‥‥ たとえば、風邪で熱が出たとき、からだの中で水が足りないとどうなるでしょう? もちろん、脱水症=水が足らない状態(来月の健康エッセイで詳しくお話します。)の ことは考えなければいけません。 体の抵抗力(=免疫)の面では‥‥ 熱は、からだが風邪のウイルスと闘っていることの証拠ですが、 ウイルスと直接闘うのは人間のからだに自然に備わっている、抵抗力です。 その抵抗力を担当している細胞は、血液中にあって血液の流れで全身をまわっていて、 ウイルスの攻撃を受けたところに集まってきます。 もし、水が足りないと、血液がドロドロになって、 それら抵抗力をになう細胞が運ばれにくくなってしまいます。 ●年齢によるからだに占める水分の割合の変化 赤ちゃん 80% こども 70% おとな 60% 老人 55% #人間の体は、これらの割合を各年齢ごとに一定に保つ仕組みがあります。 赤ちゃんや子どもの肌がみずみずしいのは、皮膚が薄いこともありますが、 おとなより水分の割合が多いからです。 |
健康エッセイ6月号(掲載日2002年5月29日) 小児科へ戻る |
ーウイルスの潜伏期間ー ●人にうつる病気 感染症のことですが、5月号では、その感染症の主な原因になっている細菌とウイルスの ことについてお話しました。 その中で、ウイルスには抗生物質が効かず、自分の抵抗力が鍵になる、 (=あまり薬に頼らない病気)と言いました。 つまり、ウイルスの病気には本人自身が立ち向かっていく部分が大きくなります。 今月は、その性質のうち潜伏期間ということについてお話します。 ●ウイルスによる病気には‥‥ 麻疹(はしか) 風疹(三日ばしか) 水痘(水ぼうそう) 流行性耳下腺炎(おたふくかぜ) インフルエンザ 伝染性紅班(りんご病) 手足口病 突発性発疹(突発疹) ウイルス性胃腸炎 水イボ エイズ 肝炎(A型,B型,C型‥‥)などがあります。 ●今、こんな病気が‥‥ 松山市の感染症情報を見ると、ウイルスの病気に限れば、 おたふくかぜや水ぼうそうなどの小さな流行が続いている、とありました。 このごろ、インフルエンザを除けば一年を通して季節に関係なく、ウイルスの病気は流行します。 ●潜伏期間とは? からだの中に入ったウイルスは、ある程度数が増えると症状を引き起こします。 その増えるまでの時間を、潜伏期間といいます。 ●潜伏期間が短いということは‥‥ それだけ短い時間で数が増える、強力なウイルスであるといえます。 症状も、よりきつく出ます。インフルエンザが、このような例にあてはまります。 ●潜伏期間(=症状が出ない)のうちから、人にうつすこともあります。 自分の子どもがウイルスの病気で、症状が出ているとき、人にうつすことはわかりますょね。 ところが、ウイルスの病気の疑いのあるほかの子のそばにいて、 自分の子どもがうつったかもしれないと思うとき‥‥ 症状がまだあらわれていなくても、もし潜伏期間にあれば、 その後半1-2日は人にうつす恐れがあります。 ●予防接種が有効 まったくその病気にかかっている心配のないときにする予防接種が、 唯一予防に有効な方法でしょう。 ●よく耳にするウイルスによる病気の潜伏期間 麻疹(はしか):2週間 風疹(三日ばしか):2-3週間 水痘(水ぼうそう):2-3週間 流行性耳下腺炎(おたふくかぜ):2週間 突発性発疹(突発疹):2週間 インフルエンザ:1-3日 |
健康エッセイ5月号(掲載日2002年4月13日) 小児科へ戻る |
ー細菌とウイルスー ●目に見えない、小さな生き物 病気の中には、病原体と呼ばれるごく小さな生き物によって起きるものがあります。 これを感染症(かんせんしょう)と言います。 その原因となる小さな生き物の主なものには、細菌(さいきん)とウイルスがあります。 今月はこの二つについてお話したいと思います。 ●細菌とウイルスの違い 二つの違うところはいくつかありますが、これだけは覚えておきたいポイントをあげてみます。 ○細菌は‥‥ ・どうやって生きているか? 自分の体のしくみだけで生活できる。自分を分裂させて数を増やすことができる。 ・大きさ 1-2ミクロンくらい(1ミクロン=1/1000 mm) ・自分の出す毒素などで、人体の目標の細胞を外から攻撃する。 ・細菌をやっつける特効薬(抗生物質)がある。 ○ウイルスは‥‥ ・どうやって生きているか? 自分の力だけでは生活してゆけず、必ずヒトや動物,植物などの細胞の力を借りる。 自分の数を増やすときもそれらの助けが必要。 ・大きさ:たいへん小さく、細菌の1/数十〜1/数百 ・たいてい熱に弱く、低温に強い。(だから、冬にカゼをひきやすい。) ・目標の細胞の内側から攻撃する。 ・抗生物質は効かない。 合併症(たとえば、カゼをこじらせて肺炎になる。)さえ起こさなければ、 体の抵抗力でウイルスの増えは自然におさまる。 <参考> (1ミクロン=1/1000 mm) ダニ:200-800ミクロン 花粉:30ミクロン カビ:数ミクロン〜数十ミクロン 細菌:1-2ミクロン程度 (炭そ菌:1.5ミクロン) 風邪ウイルス:0.05ミクロン ●抗生物質 細菌には効くけれど、ウイルスには効きません。 でも、ウイルスが原因のカゼで病院にかかると、たいてい抗生物質が出ます。 これはなぜでしょう? →カゼで弱った体に、細菌が侵入し始めていることとして、治療を始めているからです。 (抗生物質の使い過ぎになるというので、これに反対する人も少ないながらいます。 でも、抗生物質を使ってきたから、カゼのさまざまな合併症が減ったことも事実。 カゼのときに抗生物質が必要かどうか、今は、必要との意見がほとんどです。) |
健康エッセイ4月号(掲載日2002年3月16日掲載・25日修正) 小児科へ戻る |
春ー出会いの季節です。 ●おめでとう 春、特に4月は入園,入学などで、新しい友だち,先生,お母さん方たちと知り合うことが多くなります。 子どもたちにとっても、新しい出会いは楽しみです。 でも、同時に緊張することでもあります。はじめての人たちと交わることは、 子どもなりにも気の張ることだからです。 ●コミュニケーション能力とは? 近ごろ、人とのつきあい方(※コミュニケーション能力と言います。)が、 子どもから大人にいたるまで下手になっていると言われています。 ※水島広子のHomePage opinion No.4(http://www.mizu.nu/)を是非ご覧下さい。 コミュニケーション能力とは、単に`あいさつができる'ことではありません。 人とかかわるとき、相手を思いやりつつ、自分のことを正しく理解し、 相手の知識や経験を吸収しながら、今あるいろいろな問題を自分で解決できることです。 この能力は、幼い頃から訓練して、自然に発揮できるようにしておきたいものです。 □ ●コミュニケーション能力のもつ別のパワー コミュニケーション能力には、もうひとつの力があります。 人とうまくコミュニケーションがとれたときは、 体の底から湧きあがる不思議なものを感じることがあります。 (相手がはじめて会う人だと、その力はより強いようです。) それは、元気なときはもちろん、病気のとき必ず体にプラスに働いてくれます。 つまり、病気を自然に治す力を強めてくれるのです。 □ ●コミュニケーションに大切なこと このコミュニケーション能力を身につける練習には、出会いの季節の今は絶好といえます。 人とのコミュニケーションをとろうとするときに大切なことは‥‥ 1.相手と同じ気持ちになる。 2.相手を信頼する。 3.自分にとって不都合なことがあっても、それを許せる。 4.笑顔 これらのことは、小さい子どもさんには難しいので、まず大人がお手本になりましょう。 |
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