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健康エッセイ3月号(掲載日2006年3月4日) 小児科へ戻る |
身体にとっての水分の役割 ー病気が治るときー ●水分の大切さ 今月号では、病気が自然に治るときの水分の果たす役割についてお話します。 というのも、先日私は5日間ほど風邪にかかりました。 そのとき(特に治りはじめ)、水分の大切さを実感したからです。 ですから、今月号は子どもだけでなく大人も対象です。 ●春の風邪 私の病気は いわゆるお腹にくる風邪で、下痢こそしなかったものの吐いたり、 お腹の鈍い痛み、あと38℃半ばの発熱もあったのです。 始めの2-3日は、お腹の症状もあったので食事はお粥くらいにしていました。 また、その期間の後半には激しい症状はおさまり、 自分でも「今、回復している最中だな」と感じていたのでした。 食事がお粥だけ,おまけにきのうまで吐いたり熱が出たりしていました。 ですから、「水分だけはしっかり摂らないと‥‥」と思い、 激しい諸症状のあった翌日は普段の2倍以上の水分を摂りました。 というより、喉が渇いていて、大方は自然に欲しがった と言った方が正しいでしょう。 しかし、その日午前中に出た尿量はいつもの半分以下。 「自分の体が回復していってる」強い感覚に、 余計水分が病気の治り始めに大切な役割をしていることをより実感しました。 ●自然に病気が治るための、三つのポイント −解毒,排泄,発熱− 薬や手術などで治療しなければいけない病気もありますが、 病気の多くは自然に治るものです。治療に頼らなければいけない場合でも、 体に備わった病気を自然に治す力が大切になってきます。 ・解毒:病原体、化学物質など身体に有害なものを処理する。 ・排泄:嘔吐、下痢,尿、便など。身体から毒素を追い出そうとしている反応。 例) やかんを火にかけてお湯が沸騰している場合、 そのやかんの口を塞ぐとどうなるか‥‥。 ・発熱:病原体は熱に弱く、だから身体は熱を出して闘っている。 それを無理に下げない方がよいと言われている。 もちろん、熱でぐったりしている場合などは例外である。 これら三つのポイントをなるべく邪魔しないように自然に行なうことが、 病気を治す早道にもなりそうです。 逆に、病気がなかなか治らないときは この三つのポイントのいずれかを 無理矢理封じ込める生活をしていないかチェックが必要でしょう。 ●「三つのポイント」を上手く実行するために ・安静(睡眠):解毒は主に肝臓で行なわれる。その肝臓は、 身体を安静にしているとき最も良く活動する。 ・保温:身体を温めることによって全身の血のめぐりを良くして、 老廃物を早く肝臓に運んで解毒する。 ・水分補給:上の2項目には欠かせない。肝臓などへの血の流れを良くするためには、 嘔吐、下痢、発熱などで失った水分を補う必要がある。 「すべての命の源は水である」ことは変わりなさそう。 |
健康エッセイ2月号(掲載日2006年1月28日) 小児科へ戻る |
おたふくかぜかどうか よくわからないとき ●おたふくかぜかどうか よくわからないとき−ってたまにあるかもしれません。 今月号が、そのような疑問に少しでもお役に立てればと思います。 ▼本物のおたふくかぜには、一生に一回しか かからない。 次のような事情があります。 ・おたふくかぜのときとほぼ同じ所が腫れる、風邪などの病気がある。 大人にも子どもにもあるが、たいてい自然に治る。 おたふくかぜ程人に移す力はないので、ほとんど流行しない。 →ということは、逆に、はっきりおたふくかぜだとわかっている病気の流行がなければ、 たとえおたふくかぜによく似た症状があるからといって、 すぐにおたふくかぜと決めつけないほうがよいでしょう。 通っている幼稚園や学校におたふくかぜが流行っているかどうか 問い合わせるとよいかもしれません。 ・本物のおたふくかぜでも 腫れは、片方だけで済む場合もあるし個人差が大きい。 一般的に、おたふくかぜの流行がないとき症状だけからおたふくかぜかどうか 決めるのは難しい。 ・おたふくかぜはウイルスによって、人から人へ移る。そのウイルスは、 おたふくかぜになっている子の咳,鼻水,くしゃみなどの中にある。 それを吸い込んだり触ったりすると移ってしまう恐れがある。 ところが、このおたふくかぜという病気 移ったと思われる10人のうち3-4人は、 症状がはっきり出ない場合があり、不顕性(ふけんせい)感染と呼ぶ。 →「同じ教室の中でおたふくかぜが流行っているのに本人はなんともない。」と いうような時は、その不顕性感染か、あるいはもうすでにおたふくかぜに対する 抵抗力(=免疫(めんえき))を持っていたかでしょう。 なお、不顕性感染のときも おたふくかぜに対する免疫は、 普通に(実際、おたふくかぜにかかったときと同じように)できます。 この免疫 どのくらいあるかは、血液検査で調べることも可能。 その測定が、おたふくかぜかどうかの科学的決め手になってはいます。 症状だけでは診断できにくいときなどの、最後の手段で 普段は余り使いません。 子どもも大人も調べられるので、お近くの小児科または内科へ。 ただし、結果がわかるのに2週間くらいかかります。 どの程度の免疫があるかどうかがわかった頃には、 おたふくかぜかどうかわかっているかもしれません。 なので、おたふくかぜの免疫を持っているかどうかを調べるなら おたふくかぜが流行ってないときをお薦めします。 ▼<おたふくかぜの予防接種> 有効率(予防接種を受けた者で、おたふくかぜが流行っているとき おたふくかぜにかからない割合)はかなり高いけれど、 「予防接種を受けていれば、絶対安心」というわけでもありません。 ただ、もしかかっても軽く済みます。 ですから、子どもから大人まで広く接種が薦められています。 ▼おたふくかぜ自体、発熱と ほっぺたなどの腫れによる痛みがあるといっても一時的。 ほとんどがが自然に治ります。 あと、似たような病気はあっても それらもほぼ自然に治る経過をたどるでしょう。 ということで、顔〜首にかけて腫れたり少し熱が出たりしても、 他の新たな症状が出ず普段とそれほど様子が変わらなければ心配ありません。 |
健康エッセイ1月号(掲載日2005年12月30日) 小児科へ戻る |
子どもの皮膚トラブル ー冬の特徴ー ●大人も子どもも、皮膚が乾燥するとトラブルの元に そうなると、皮膚が無防備状態になって 湿疹や しもやけなどが出来やすいのです。 子どもの皮膚は乾燥しやすい 皮膚を乾燥から守る「皮脂腺(ひしせん)」と呼ばれる皮膚組織の一部が活動して 皮膚の油分を補給します。 この「皮脂腺」のコントロールは、性ホルモンによってなされています。 通常性ホルモンは思春期以降に分泌されるけれど、 生まれて三ヶ月目までの赤ちゃんはお母さんの体からの影響が残っていて 「皮脂腺」の活動は活発なのです。 ということで、生後三ヶ月から思春期が始まる中学生くらいまでは、 皮膚に油分を供給する「皮脂腺」の働きが未熟で皮膚も乾燥しやすいのです。 ですから、小さな子どもさんは 冬の乾燥するこの時期、 多かれ少なかれ皮膚は乾燥状態になっているはずです。 そういえば、私も子どもの頃 毎年冬になると しもやけに悩まされたけれど、 高校生ではピタッとなくなった覚えがあります。 このように、多くの 冬の皮膚乾燥によるトラブルは 年齢ととも次第に自然に減っていくものではあります。 それでも、皮膚が乾燥しやすいときのケアは大切です。 乾燥しやすい皮膚の手入れ ポイント ・清潔 低刺激性=皮脂までも強く洗い流さないの石鹸で洗い、後よくゆすぐ。 汗をふくときは、できれば絞った濡れタオルで。 ←乾いたタオルでゴシゴシふくと、皮脂まで取り去ってしまう。 ・油分の補充 お風呂上がりに保湿剤をまんべんに塗る。(保湿剤=皮膚の油分と思って下さい。) ・かゆみ対策 ←湿疹などがなかなか良くならないとき、これを強化してみて下さい。 油分の補充 皮膚に油分が少なくなると、かゆみを引き起こします。 爪の手入れ →湿疹などは爪で引っかくことで悪化することが多いので、重要です! |
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