健康エッセイ6月号(掲載日2001年5月18日) 小児科へ戻る |
【中耳炎】 【中耳炎って?】 カゼのときなど、鼻からバイ菌が、耳管(じかん)と呼ばれる管(くだ)を通って、 耳の中に入って起こします。耳の外からバイ菌が入るのではありません。 中耳炎になると、ふつう、熱が出たり、耳を痛がって機嫌が悪くなったりします。 聞こえも悪くなります。でも、中耳炎になっても、 はっきりとした先のような症状があらわれない子どもさんもいます。 【どうして、子どもに多いの?】 鼻と耳をつないでいる耳管(じかん)のつくりが、子どもは大人にくらべ、 バイ菌が入りやすくなっているからです。 だから、大人になって、耳管のつくりがしっかりしてくると、 ほとんど中耳炎を起こさなくなります。 【中耳炎って、くせになるの?】 子ども(特に2歳以下)は、耳管のつくりがまだしっかりしていません。 同じ子どもさんの中でも、そのつくりがさらにやや未熟な例もあります。 また、ほかに鼻やのどの病気(アレルギー性鼻炎,ちくのう,扁桃肥大など)があって、 中耳炎を起こしやすくなっていることもあります。 だから、中耳炎はくせになるのではなく、中耳炎になりやすい子どもたちの中で、 繰り返す例があるというふうに、理解しておいて下さい。 【中耳炎を繰り返すと、聞こえが悪くならないの?】 もし繰り返しても、毎回きちんと治していけば、聞こえが悪くなることはありません。 【鼓膜切開はこわい?】 中耳炎のため、耳の中にたまったウミを外に出すこと(=鼓膜切開)により、 痛み,熱,聞こえの悪さなどをやわらげてくれます。 切開したところは、必ず数日以内に自然にふさがります。 しかも、何回繰り返したとしても、聞こえには影響ありません。 鼓膜切開を迷っていると、その分、痛みや熱が長く続きます。 また、ウミが耳の中にたまったままになり、鼓膜が音を伝えにくくなって、 聞こえが悪い期間が長引いたりします。 (切開してウミを出せば、聞こえは元に戻るのですが‥‥) 【中耳炎といわれたら、水泳はダメなの?】 中耳炎が治っているときは、たとえ繰り返している子どもさんでも問題ありません。 中耳炎を治療中であったり、中耳炎が慢性化しているような子どもさんでは、 かかりつけの耳鼻科のお医者さんに相談して下さい。 ‘プールに入るたびに中耳炎を起こす’、これはよく聞くうったえですが、 中耳炎が鼻からのバイ菌で起こることを考えると、この子どもさんは、 プールの水を鼻から飲み込んでしまうことがあると想像されます。 特に、中耳炎を繰り返している(た)子どもさんには、 鼻から水を飲み込まないように注意させましょう。 【早く見つけるには?】 中耳炎かどうかは、耳鼻科で鼓膜を見てもらって、はじめてわかります。 だから、少しでも中耳炎があやしいと思ったら、 早めに耳鼻科に連れて行くことをオススメします。 次に、どんなとき中耳炎を疑ったらよいか、あげてみます。 ・カゼ気味で様子をみていたら、急に熱が出て、しきりに耳を気にして、機嫌が悪くなる。 ・カゼ気味だけど、遊ぶことは遊ぶ。でも、いつもの元気と食欲がない。 たまに耳のあたりを気にする。 ・中耳炎を繰り返している子どもで、カゼの症状があらわれる。 【病院通いは楽じゃないけど‥‥】 たしかに、中耳炎で耳鼻科に通うことは、たいへんなことです。子どももいやがるし‥‥。 でも中耳炎は、大きくなれば(個人差があるので、何歳からとは言えませんが)、 多くは自然に治ります。 ただし、それには起こってしまった中耳炎をきちんと治していくことが求められます。 中耳炎の疑わしい、いつもと違うからだの様子の変化を早く見つけ、 早く治療を始めれば、早く治すことができると思います。 |
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