健康エッセイ3月号(掲載日2004年3月29日) 小児科へ戻る |
[子どもと集中力] 春、新しい生活のスタートを切る方もおられるでしょう。 その変化に伴うストレスなどに対抗するためには、それなりの集中力が必要でしょう。 大人になってからの集中力を考えるとき‥‥ 子どもの頃に持っている集中力は、「からだ」と「こころ」の発達によって、 特別な意識をしなくても、ある程度までは 長続きするものになるでしょう。 さらに、子どもに対して集中力を出させる術を、周りの大人が心得ていれば‥‥ 『「勉強」,「遊び」,「運動」,「芸術」,「ひらめき」,「工夫」,「コミュニケーション」‥‥など いろんな場面で、集中力を発揮しやすくなる。ひいては、 大人になってからの集中力も伸びる。』でしょう。 今月号の健康エッセイでは、「子どもと集中力」と題し、 子どもの頃から集中力を発揮しやすい状況を作り出すことの大切さなどについてお話します。 集中力は一朝一夕に身につくものではなく、 子どもの頃からの「集中力にとって、良い習慣」が大事かと思います。 このことを、いちばんわかってほしいのです。 なお、このエッセイで扱う集中力とは、 よく「勉強」などのときに言われる集中力だけではなくて、 ストレスなどに対してとっさに発揮される集中力も含みます。 □ 集中力について考えるとき、「こころ」の面が大切になってきます。 子ども時代のことを考えると‥‥ ●子どもの基本的欲求 これらのことを、周りの大人がよく理解し、認めてあげる必要があるでしょう。 1.愛情:子どもに降り注げられる。 2.承認:大きな危険がない限り、子どもがやろうとすることを認める。 3.所属:何かのグループに属したがる。 4.成就:達成感を味わわせる。 5.独立:子どもの人格を認め、ひとり立ちを援助する。 ↑上の五つの欲求が満たされていれば、子どもの心は安定し、 ものごとに没頭しやすいでしょう。 逆に、欠けるものがあると、子どもは一見普通に振る舞っているように見えても、 心の中は今一つ充実しておらず、集中力が妨げられていることになるのではないでしょうか。 このように、集中力には心の満足度ということが、大きく関わってきます。 □ 次に、集中力と「からだ」との関係に、目を向けたいと思います。 ・集中力には、数種類のホルモンが関係している。 ・集中力を高めるそれらのホルモンが適切に分泌されるには、 こころの状態が整っていることが必要。←このことは、科学的に証明されている。 上の2つのことが、言われています。具体的には‥‥ ●集中力が高まったとき、あるいは集中力を発揮しようとするとき、分泌されるホルモン ・ドーパミン ・甲状腺刺激放出ホルモン (略称 TRH(ティーアールエイチ →グループ歌手 TRFではありません。(笑)) ・βエンドルフィン ・成長ホルモン ・セロトニン など ↑上に挙げたホルモンは、すべて脳内ホルモンと呼ばれ、脳から分泌され、 脳それぞれの場所に血液によって運ばれ作用する。 少々ややこしい、ホルモンの名前もあるようです。が、無理して覚える必要はありません。 ホルモンというものは、ご存知のように、 「○○ホルモンよ、出よ!」と命令して分泌されるものではなく、 自分の意思にかかわらず自動的にコントロールされる自律神経の制御のもと 分泌されているからです。 ホルモンの名前を正確に覚えるより、どんな作用を望み、 その作用を助けてくれるホルモンが分泌されやすい体の状態に焦点をあてる方が重要です。 ●子どもの頃から‥‥ 子どもの頃からの「集中力にとって、 良い習慣」について、いつも頭の隅に置いておいてほしいと思います。 そうすれば、その集中力は いつか必ず、本人および周りの人の役に立つことがあるでしょう。 ◇ ◇ ◇ 集中の後には、リラックスすることも必要です。 |
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